2015年1月24日土曜日

「付け下げ」と「訪問着」の違い。

当工房へのアクセスキーワードで意外と多いのは「付け下げと訪問着の違い」という言葉です。

今回は付け下げがどういう着物で、どういうTPOに適した着物なのか?ということについてお話したいと思います。


簡単に言いますと、「付け下げ」とは柄の付け方です。そして「付け下げ小紋」と「付け下げ訪問着」があります。



「付け下げ」=「付け下げ小紋」

「付け下げ」=「付け下げ訪問着」

どちらも「付け下げ」と表現することがありますので、時に混乱される方もいらっしゃると思います。



付け下げの見分け方としてよく耳にするのは、店頭で着物の形に仮仕立てしてあるのが訪問着で、反物で置いてあるのが付け下げという話です。


もちろんこれも見分け方の一つではありますが、これは柄の配置に基づいた見分け方ではありません。



着物を理解する上で必要な知識として「合口/あいくち」と「絵羽」があります。

この豆知識で付け下げの見分け方はもとより、着物の格についてもより解りやすくなると思います。



「合口」は縫い目にかかって柄が続いている部分のことです。

合口が多ければ多いほど裾全体を一枚の絵画として描くことが可能となり、贅沢な絵羽柄の着物となります。


格のある着物、つまり振袖や留袖、正式な訪問着は全て絵羽柄になります。

それでは合口や絵羽に注意しながら↓着物をご覧ください。


①小紋
(柄の向きや構図的な配置は考慮せず全体に飛び柄をパターンで配しています。合口はありません。)
小紋

②付け下げ小紋
(着用時に見栄えが良い柄の向きと構図的なバランスを考慮しながら飛び柄を配します。合口はありませんが、より贅沢な小紋です。)
付け下げ小紋

③付け下げ訪問着
(柄の向きや構図的なバランスを訪問着と同じように考慮しますが、合口は1~2箇所です。※↓着物写真では「上オクミ~上前」と「右背~下前」のあたりに合口が2箇所あります。店頭では訪問着として扱われることもあります。)
付け下げ訪問着

④訪問着
(裾全体の合口につながって絵羽柄が配されています。一枚の絵画として成立する構図で正式な訪問着になります。)
訪問着


TPOについて、小紋と付け下げ小紋はどちらもお洒落着として着用します。

ただし、付け下げ小紋は柄の向きや構図的なバランスを考慮しているので普通の小紋よりも贅沢な印象となります。


どちらも主に名古屋帯を締めますが、手描き友禅の小紋で見栄えが良かったり、

金箔や金線、刺繍などで仕上げてある場合には袋帯を締めて格上げすることもできます。



付け下げ訪問着と正式な訪問着のTPOに大きな違いはありません。

どちらも袋帯を締めて友人知人の結婚式披露宴やパーティーに出席することが出来ますし、

縫い紋(一つ紋)を入れれば、留袖の次に格のある準礼装としても通用します。

しいて言えば、より華やかな着姿が好まれるパーティーには正式な訪問着がおすすめです。



正式な訪問着など、「絵羽もの」と呼ばれる着物は裾全体を一枚の絵画として描くため、柄の面積も広くなり贅沢な着物となります。

そして、合口の柄がきちんとつながるように制作するには細心の注意が必要です。

縫いしろに入る部分も含めて柄を描く必要もあります。

そのため手間もかかり費用も高価になりますが出来上がった着物はとっておきの一着になります。



一方、付け下げ訪問着は1~2箇所しか合口に柄が掛からないように柄を描きます。手間も訪問着よりは少なく費用もお求めやすくなります。

正式な訪問着に比べて柄はやや控えめになりますが、紋が入っていなければ少々くだけたパーティーなど活躍できる場所がより幅広い着物です。

コーディネートは名古屋帯であれば「お洒落着」として、袋帯であれば「付け下げ訪問着」としてお召しいただけます。



今回は説明的な投稿内容になってしまいましたが、あまり頭で考えすぎると楽しくなくなってしまいます。

昔と比べて着物のTPOもそれほど厳しくなくなっていますので、

最低限のルールを踏み外さなければあまり堅苦しく考えないで良いと思います。


出掛ける場所や出会う人に対してふさわしい礼儀の着こなしであれば大丈夫です。

どうぞ素敵な着物ライフをお楽しみください♪


英吾


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手描き友禅 腰原きもの工房 展示会のご案内状をご希望の方はどうぞお気軽にこちらの↓

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お電話でのお申し込みも承っております。→ 0428-76-2836(腰原きもの工房直通)

※お客様の個人情報は腰原きもの工房にて大切に管理し、他の小売店や業者さんには一切譲渡いたしません。どうぞご安心くださいませ。

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2015年1月21日水曜日

手描き友禅、腰原きもの工房の展示会ご案内状を制作中です♪


今日は朝から小雪が舞う冬空でした。
あまりの寒さに灰色の空を見上げながら北風小僧の寒太郎(NHK みんなのうた)を探したくなります♪

こんな寒い季節ですが、工房は春3月の展示会に向けての作品制作や準備の真っ最中です。
今日はストーブにあたりながら展示会のご案内状デザイン校正をしました。

展示会の準備は色々と大変ですが、
ご案内状に使用する作品選びはちょっとした楽しみでもあります。

季節感のある雰囲気にしようか?個性的な雰囲気にしようか?と色々と悩みますが
やはり春らしい柄の染名古屋帯の「桜に目白」を選ばせていただきました。
父・淳策の春の新作になります。

このご案内状は2月後半に皆様のお手元へ郵送させていただきます。春が待ち遠しいです♪

展示会は平成27年3月14日(土)・15日(日)の二日間、
台東区柳橋、隅田川沿いの古民家ギャラリー「ルーサイトギャラリー」を貸り切って開催します。
四季を彩る花柄やモダンな無季節柄の着物・染帯を沢山展示いたします。
ギャラリーの二階からは隅田川が一望できる素敵な日本家屋です。

私たち作家本人が作品説明や販売させていただきます。
どなた様もお気軽にご覧いただけるアットホームな展示会です。
全て手仕事、伝統工芸の手描き友禅にご興味のある方はぜひ遊びにいらしてください。

ルーサイトギャラリーでの展示会詳細はこちら↓をご覧ください。
腰原きもの工房 ルーサイトギャラリー展示会

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ルーサイトギャラリーの周辺地図は下記の通りです♪




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平成27年1月23日(金)まで期間限定の特別価格商品手描き友禅 染名古屋帯「桃山模様」もぜひご覧くださいませ。

腰原きもの工房ホームページもぜひご覧くださいませ。
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2015年1月13日火曜日

手描き友禅 冬の引き染め。

吸い込む空気は冷たいながらも新鮮な気持ちになる冬の早朝、
今日一日が晴天に恵まれそうなことを確認して染め場のストーブに火をいれます。

染め場が温まるまでに染料を調合して地色を用意します。
昼前頃、ようやく染めに適した室温になったのを見極めてから生地に伸子を張り、刷毛で地染めをします。

染めた後は生地が傾かないように、常々確認して平衡を保ちます。
室内の温度が温まり過ぎないように、かつ冷えないように気を配ります。

反物の端から端まで色ムラが出ないように染めるには細心の心配りが必要です。
気温の低い冬の染めは特に目が離せません。

英吾

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平成27年1月23日(金)まで期間限定の特別価格商品手描き友禅 染名古屋帯「桃山模様」もぜひご覧くださいませ。

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腰原きもの工房は都心や青梅にて、工房主催の展示会を開催いたします。
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2015年1月1日木曜日

あけまして、おめでとうございます。



手描き友禅 染名古屋帯 「山羊(焼箔)・唐草模様」 作:腰原淳策

あけましておめでとうございます。
旧年中は沢山の方々にホームページやブログをご覧いただき、誠にありがとうございました。

昨年後半はブログの更新が滞っていた時期もございましたが、実は新しい企画を準備しておりました♪今年は益々精力的に活動ができる年になりそうです!!

今年の展示会開催は3月に台東区柳橋のルーサイトギャラリーにて、
6月は2回に分けて青梅の津雲邸と東上野のギャラリーしあんにて、
10月は青梅工房にて、計4回の開催予定です。

特に6月の会場となる津雲邸は青梅宿を代表する貴重な文化財価値のある建造物で、
一流の宮大工の技を見学するだけでも充分にお楽しみいただける会場です。
過去にはNPO法人主催で「市川団十郎縁の歌舞伎衣裳展」も開催され、
民間主催としては光栄にも腰原きもの工房が初開催となります。
ご興味のある方はぜひ遊びにいらしてくださいませ♪

今年も皆様にお喜びいただけるような作品を制作できるよう精進して参りたいと思います。
本年が皆様にとってより良い一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。

英吾

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